働く人を健康にすることで企業価値を向上させる。「健康経営」とは、そういったことを目的にした経営戦略のことです。経済産業省は「健康投資は従業員の活力向上や生産性の向上など組織の活性化をもたらし、結果的に業績や株価の向上につながる」と期待しています。
私はいま企業で健康経営を専門にしています。特に力を入れているのは、さまざまなコンディショニングメソッドの研究や実践です。同時にゴルフ歴は24年になります。この連載ではこれまでの経験をもとに、ゴルフや仕事のパフォーマンス向上につながる心身のコンディショニングについて紹介していこうと思います。
ゴルフというスポーツでは年齢を重ねてから、若いころよりも飛距離が伸びた、スイングのキレが良くなった――といった上達を実感することがあります。コンディショニングさえしっかりしていればパフォーマンスを発揮しやすくなり、今までで見たこともないようなボールを打てるようになります。
そもそも、コンディショニングとはどういうものでしょう。厚生労働省の定義によると「運動競技において最高の能力を発揮できるように精神面・肉体面・健康面などから状態を整えること」とされています。具体的には体力、精神、技術、医療、栄養、環境といった要因から総合的にアプローチし、競技の際に能力を最大限に発揮できるようにコントロールしていくことを指します。
コンディショニングは運動競技のみならず、個人や組織の仕事のパフォーマンス向上にとっても欠かせないというのが「健康経営」の考え方の柱の一つになります。