ゴルフは“正解”が変化し続ける特異なスポーツ
平井 僕は高校でゴルフを始めて、一気にのめり込みました。3カ月ほどたつとスコア75でラウンドするくらいまで上達し、一時期はプロを目指しましたが、タイガー・ウッズを生で見たときに「これはレベルが違うな」と(笑)。実際、彼のスイングが一気にスタンダードになりましたよね。
浅妻 ウッズ出現以前は、70%くらいの力でクラブを振る感じでしたが、以降はみんなが全力で振るようになりましたからね。
平井 今のゴルフシーンは、当時とはまた変わっています。
浅妻 おっしゃるように、最近の選手のスイングは、10年前の選手たちとはまったく違います。極端に言うと、10年前には「そんな振り方じゃだめだ」と言われていたようなスイングで勝ってしまう選手が登場してきた。
女子プロも、昔は欧米選手が圧倒的に強かったけど、最近では韓国や日本選手も勝つようになってきたし、身長170cmくらいが普通の世界だったのに、今では160cmなくても平気で優勝できる。あまり知られていませんが、ゴルフは短い期間でダイナミックな変化のあるスポーツです。
平井 ゴルフは道具が重要なスポーツなので、道具の進化に合わせてスタイルも進化させていく必要がある。だから常に正解というか、これまでの常識が変化し続ける。スポーツのなかでも特異なジャンルですよね。
僕はその面白さを広めたいのですが、IT業界はゴルフ人口がめちゃくちゃ少ないんです(笑)。コンペをやっても人が集まらないので豪華景品を出したこともありますが、なかなか継続できない。
浅妻 IT業界に限らず、親睦のためにゴルフコンペがある会社は減っています。私の入社時とは環境がまるで変わりました。何かのきっかけでゴルフ好き同士だったことがわかって同僚と一緒に行くという人はいても、「サラリーマンだったら当然ゴルフ」という社会ではなくなりました。
平井 商社にはまだまだ多いですけどね。やっぱり「ゴルフは接待」というイメージが定着してしまって敬遠されているんでしょうね。